いびき、日中の眠気は病気のサイン!?
日本は睡眠不足の方が多いため、日中に眠気があっても軽視される傾向があります。しかし、睡眠時無呼吸症候群という病気が隠れている可能性があります。睡眠時無呼吸症候群は日中眠気が出るだけの病気ではなく、命に関わるものです。特に、いびきをかく方は睡眠時無呼吸症候群の可能性が高いため、検査を強くお勧めします。
睡眠時無呼吸症候群とは
睡眠中に何回も呼吸が止まる病気です。ほとんどの場合、いびきを伴います。
医学的には、10秒以上呼吸が止まる無呼吸状態や、呼吸が弱くなる低呼吸状態が、1時間あたり5回以上繰り返されると、睡眠時無呼吸症候群と診断されます。
日本では睡眠時無呼吸症候群の患者さんは約500万人います。男性では40歳~50歳代が半数以上を占め、女性では閉経後に増加します。
朝の倦怠感(朝だるい)や頭痛、熟睡した感じがしない、
そんな症状はありませんか?
睡眠時無呼吸症候群になると、いびき、眠気以外にも、以下のような様々な症状が現れることがあります。睡眠の質が低下して眠りが浅くなること、無呼吸によって血液中の酸素が不十分になること、交感神経やホルモンのバランスが崩れることなどが原因です。
睡眠中
- いびきをかく
- 呼吸が止まる
- 息苦しさで目をさます
- 何度もトイレに起きる
- 寝汗をかく
起床時
- 朝なかなか起きられない
- 口が乾いている
- 頭がおもい
日中
- 眠気がある
- 作業に集中できない
- だるい
いびき、日中の眠気は放置しても大丈夫?自然に治る?
睡眠時無呼吸症候群を放置してしまうのは危険です。日中の眠気が生じるだけでなく、命に関わるからです。
まず、車を運転する方では交通事故を起こすリスクが7倍上がると報告されています。
また、様々な病気のリスクが上がることも分かっています。代表的なものは、糖尿病、高血圧、虚血性心疾患(狭心症や心筋梗塞)、脳血管障害(脳梗塞やくも膜下出血など)、高脂血症、認知症です。
睡眠時無呼吸症候群が自然に治ることはまれです。日本人の睡眠時無呼吸症候群の場合、首の長さ、扁桃の大きさ、あごの大きさ・形などの骨格が原因であることが多く、これらを変えることはできないからです。
ただし、睡眠時無呼吸症候群が軽症の場合、減量(肥満がある方の場合)、横向きで寝る、アルコールを控える、睡眠薬を中止する、禁煙する、といった生活習慣の改善で良くなることがあります。ぜひ試してみましょう。
日中に眠気がある方、いびきを指摘された方は、お早めに当院までご相談ください。