健診レントゲンで異常を指摘されました。どうしたら良いの?
なるべく早く、CT検査ができる医療機関を受診してください。
健診結果に「異常あり」や「要検査」と書いてあったら、とても不安な気持ちになると思います。しかし、レントゲンで異常を指摘されても、実際には病気の影でない場合も多くあります。また、本当に肺がんなどの病気があったとしても、健診で偶然見つかった場合には早期のことも多く、治癒も期待できます。
一番良くないのは受診を先のばしにすることです。病気を治すチャンスを失いかねません。不安だとは思いますが、ぜひCT検査を受けてください。
当院では即日CT検査を実施できます。健診レントゲンで何かしらの異常を指摘された方は、いつでもご相談ください。
なぜCT検査が必要なの?
レントゲンは、一方向からX線を当てて体の「影絵」をみる検査です。胸のレントゲンをとった場合、筋肉、脂肪、骨、肺、心臓、血管など、いろいろな臓器の影が重なります。
このため、レントゲンで異常な影が見えても、それが本当に病気の影なのか、正常な骨や血管の影が重なり病気の影のように見えてしまったのか、判断が難しいことがよくあります。実際、同じ肺のレントゲンを見ても、正常と判断する医師と、異常と判断する医師がいて、判断が一致しない場合もあります。
一方CTは、360度回転させながらX線を体に当て、体内を通過したX線量をコンピュータで解析することで、「体の輪切りの画像」をミリ単位の精度で見ることができます。肺が他の臓器に隠れる死角はなく、すみずみまで細かく評価できます。このため、レントゲンで異常とされた影が、本当に病気の影なのかどうか、CTであれば非常に高い精度で診断できます。
CT検査をした後は、どうなるの?
CTで異常がなかった場合
レントゲンでは正常な骨や血管などの影がかさなり、たまたま異常な影に見えていただけです。追加の検査は不要です。1年に1回程度の定期的な健診はぜひ継続してください。
CTで異常があった場合
ある程度のサイズの肺がん、肺炎・結核・非結核性抗酸菌症などの感染症、COPD、間質性肺炎などの病気の場合、CTで原因をしぼり込むことができます。
診断を確定させるために必要な検査(血液検査、痰の検査、呼吸機能検査、内視鏡検査など)や、各病気に対する治療を順次提案いたします。
CTで異常があったものの、良いものか悪いものか判断が難しい場合
小さな腫瘍が見つかっても、
- 数mm程度と非常に小さい
- 肺がんなどの悪性腫瘍の特徴が見られない
といった場合、治療が必要な悪性腫瘍なのか、治療不要な良性腫瘍なのか判断できないことがあります。このような時には、1〜3ヶ月後にもう一度CT検査をします。腫瘍の大きさの変化の有無によって、以下のように対応します。
異常な影が大きくなる
肺がんなどの悪性の腫瘍が疑われます。診断に必要な検査(内視鏡検査など)を提案いたします。
異常な影が消えた
腫瘍ではなく、一時的な肺の炎症であったと考えられます。定期受診は終了となります。
異常な影が変わらない
徐々に間隔をあけながらCT検査を繰り返します。一般的には2年間を目安に観察を続け、影が全く変化しない場合には悪い病気の可能性が非常に低いと判断します。そこで定期受診は終了となります。