※現在、チャンピックスの出荷が停止となっております。このためチャンピックスを使用した禁煙外来は中止しております。
禁煙外来って何?
禁煙のお手伝いをする外来です。一定の条件を満たせば健康保険が適用されます。禁煙補助薬を使用することで、自分一人での禁煙に比べ、以下のメリットがあります。
- 楽にタバコをやめられる
- より確実にやめられる(自分ひとりでの禁煙に比べ、3-4倍の成功率)
禁煙が難しいのはなぜ?
「ニコチン依存症」という病気だからです。依存とは、その物質を求める、抑えがたい欲求のことです。ニコチンは、ヘロインやコカインと同程度の強い依存性があり、自分ひとりで禁煙するのは簡単ではありません。以下のような悪循環がニコチン依存症の原因になっています。
タバコは本当に体に悪いの?
喫煙される方の健康被害
喫煙を続けると、7-10年寿命が短くなります。さまざまな病気の原因になります。書き切れないほど多くの病気が該当するため、代表的なものだけ記載します。
ご家族への健康被害
受動喫煙による健康被害があります。タバコから出る煙や、喫煙者が吐き出す煙に多くの有害物質が含まれているからです。以下の病気の原因になります。
- 肺がん、乳がん
- 脳卒中
- 狭心症、心筋梗塞
- お子さんの場合には、乳幼児突然死亡症候群(SIDS)、喘息
禁煙すると、どんな効果があるの?
効果は若年で禁煙するほど大きくなりますが、何歳からでも遅すぎることはありません。30歳で禁煙すれば10年、50歳でも6年寿命が長くなります。禁煙を開始すると、以下のような変化が期待できます。
健康保険は使えるの?
以下の条件すべてに当てはまる方は、健康保険で禁煙外来を受けられます。
- 禁煙したいと希望している方。
- スクリーニングテスト(TDS)でニコチン依存症と診断された方。
※スクリーニングテスト(TDS)とは、ニコチン依存症の診断を目的として開発されたものです。以下の10項目について、「はい」を1点、「いいえ」を0点として、合計点数を計算します。5点以上でニコチン依存症とします。 - 35歳以上の場合、喫煙指数(1日の喫煙本数×喫煙年数)が200以上の方。
※35歳未満の方では喫煙指数200未満でも可能です。
どんな流れで治療するの?
禁煙外来は3ヶ月間、全5回の診察で行われます。
初診
- 喫煙状況の確認、ニコチン依存症のチェックをして、保険で治療可能か確認します。
- 吐いた息の中の一酸化炭素の濃度を測定します。喫煙本数が多いほど高い数字になるため、喫煙状況の客観的な指標になります。
- 禁煙補助薬について説明し、あなたに合った薬を選びます。
禁煙開始
貼り薬(ニコチンパッチ)を選択した場合は薬の使用開始日から禁煙スタートします。内服薬(バレニクリン)の場合は、内服開始して一週間後に禁煙をスタートします。
2〜4回目
- 禁煙の状況を確認します。
- 吐いた息の中の一酸化炭素の濃度を測定し、喫煙状況を客観的に評価します。
- 禁煙補助薬の副作用が出ていないか確認します。
- 離脱症状がないか確認し、もしあれば対処方法について相談します。
5回目(最終回)
- 禁煙が達成できたか確認します。
- 吐いた息の中の一酸化炭素の濃度を測定し、喫煙状況を客観的に評価します。
- 離脱症状がないか確認し、もしあれば対処方法について相談します。
禁煙補助薬にはどんな種類があるの?
貼り薬(ニコチネルTTS)と内服薬(チャンピックス)の2種類があります。どちらの薬剤を使用しても、禁煙による離脱症状を軽くし、楽に禁煙ができます。
チャンピックスの禁煙成功率はニコチンパッチに比べて1.5倍高いため、使用できる方にはチャンピックスをお勧めしています。
よくあるご質問
費用はどれくらいかかるの?
3割負担の方の場合、12週間の治療で、薬の費用を含め約2万円になります(チャンピックスによる治療の場合)。
1日タバコ1箱を吸う方では、12週間でかかるタバコの費用は約5万円(1箱600円として計算)となり、これよりも少ない金額です。さらに禁煙に成功すれば、その後のタバコの費用はかかりません。経済面からも禁煙外来の利用をお勧めします。
加熱式タバコでも禁煙外来を受けられるの?
2020年4月から、加熱式タバコ(アイコス、グロー、プルーム、パルズなど)でも健康保険を使った禁煙外来が受診できるようになりました。
禁煙外来での禁煙に失敗したことがあります。もう一度健康保険で禁煙外来を受診できる?
前回の禁煙外来の初日から1年以上経過していれば、健康保険を使って禁煙外来に再チャレンジできます。2回目、3回目の禁煙外来で、禁煙を達成できる方も多くいらっしゃいます。